院長ブログ

2026.07.06

親知らずは抜いた方がいい?
抜かなくてもいいケースとの違いを徹底解説!


「奥歯の奥がなんとなく痛い…」「歯医者で親知らずがあるって言われたけれど、絶対に抜かなきゃダメ?」

親知らずが生えてくると、抜くべきなのか、そのままでいいのか誰もが一度は悩むものです。「抜歯は痛そうだからできれば避けたい」というのが本音ですよね。

結論から言うと、親知らずは必ずしも全員が抜く必要はありません。 抜いた方がいいケースと、残しておいても問題ないケースには明確な違いがあります。

この記事では、歯科医師の視点から、親知らずの「抜く・抜かない」の判断基準や放置するリスクについて、分かりやすく解説します。

1. 親知らずを「抜いた方がいい」4つのケース

まずは、放置するとお口全体の健康を脅かすため、早めに抜歯を検討すべきケースを紹介します。

① 横向きや斜めに生えていて、手前の歯を圧迫している

親知らずが横向きや斜めに埋まっていると、手前の健康な奥歯を押し続けることがあります。その結果、歯並びの乱れや歯根吸収などの原因になることがあります。

② 虫歯や歯周病のトラブルが起きている

親知らずは一番奥にあるため、歯ブラシが届きにくく、どうしても汚れが溜まりがちです。親知らず自身が重度の虫歯になっている場合はもちろん、親知らずのせいで手前の大切な奥歯まで虫歯や歯周病になってしまっている場合は、これ以上の悪化を防ぐために抜歯が推奨されます。

③ 歯ぐきの腫れや痛み(智歯周囲炎)を繰り返している

親知らずの周りの歯ぐきに細菌が入り込み、炎症を起こすことを「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼びます。疲れたときや免疫力が落ちたときに「腫れる・痛む」を繰り返す場合は、根本的な原因である親知らずを抜かない限り、何度も再発してしまいます。

④ 親知らずの周囲に「嚢胞(のうほう)」ができている

レントゲンを撮った際、埋まっている親知らずの周囲に「嚢胞」と呼ばれる体液の溜まった袋が見つかることがあります。放置すると大きくなり、顎の骨を溶かす原因になるため、親知らずと一緒に摘出する必要があります。

2. 親知らずを「抜かなくてもいい」3つのケース

一方で、以下のような条件を満たしている場合は、無理に抜く必要はなく、そのまま残しておいて問題ありません。

① 真っ直ぐ綺麗に生えていて、噛み合っている

親知らずが上下とも真っ直ぐ生え揃い、上の歯と下の歯がしっかり噛み合って食事の役に立っている場合は、抜く必要はありません。ただし、一番奥で虫歯になりやすい環境には変わりないため、丁寧なブラッシングが必要です。

② 完全に骨の中に埋まっていて、トラブルがない

親知らずが完全に顎の骨や歯ぐきの奥深くに埋まっており、痛みがなく、手前の歯や歯並びにも悪影響を与えていない場合は、無理に手術をして抜く必要はありません。

③ 将来的に「移植」や「ブリッジ」の土台として使える可能性がある

綺麗に残っている親知らずは、将来他の大切な奥歯を失ってしまった際、「歯の移植(意図的再植)」のドナーとして再利用できる場合があります。また、手前の歯を失ったときに、ブリッジ(被せ物)の支えとして使えるケースもあります。

3. 親知らずを「抜くか迷う…」という方が知っておくべき

メリット・デメリット

選択 メリット デメリット
抜歯する
  • 虫歯や歯周病、口臭の予防になる
  • 歯並びの悪化を防げる
  • 急な痛みに悩まされなくなる
  • 手術中や術後に痛み・腫れが出る
  • 手術中や術後に痛み・腫れが出る
抜かずに残す
  • 磨き残しによるトラブルのリスクが続く
  • 体調不良時に急に腫れて痛むことがある
  • 虫歯や歯周病のリスク
  • 体調不良時に腫れることがある

4. 気になる抜歯の「痛み」と「費用」について


抜歯の痛みはどれくらい?

「抜くときが怖い」という方が多いですが、手術中は麻酔が効いているため、痛みを感じることはほとんどありません。 痛みのピークは、麻酔が切れた術後2?3日です。歯科医院から処方される痛み止めを適切に服用すれば、日常生活に大きな支障が出ないことがほとんどです。なお、下の歯や横向きに埋まっている歯を抜く場合は、上の歯に比べて術後に腫れやすい傾向があります。

費用はどれくらいかかる?

親知らずの抜歯は、基本的に保険適用となります。

  • 簡単な抜歯(真っ直ぐ生えている)::約1,000~3,000円
  • 複雑な抜歯(横向き・骨を削る必要がある):約3,000~5,000円

※上記はおおよその3割負担の金額です。初診料やレントゲン・CT撮影代、お薬代などが別途かかります。

5. まとめ:まずは歯科医院でレントゲン検査を!

親知らずを抜くべきか、抜かなくてもいいのかの最終的な判断は、お口の中を見るだけではできません。「見えない歯ぐきの全貌」や「根っこの形」をレントゲンやCTで確認して初めて正確な診断が下せます。

「痛くないから大丈夫」と放置していたら、実は手前の歯がボロボロになっていた…というケースも少なくありません。

少しでも違和感がある方や、自分の親知らずがどうなっているか気になる方は、まずは信頼できる歯科医院を受診し、定期検診を兼ねて相談してみることをおすすめします。